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2008年ヴィンテージのコート・デュ・ローヌ地方はブドウにとって過酷な気候だった為、困難な年となりました。素晴らしいヴィンテージになった2006、2007に比べて2008は軽く、ローヌ地方では悪いと言われる年になったため、生産者を選ぶ必要が出てきます。
実際、例年の年間降水量530mmに対して850mmと大幅に上回る量の雨が降りました。2007年の秋は暖かく乾燥しており、10月にも最高気温26℃とまだまだ暖かい気候でしたが11月には平均降水量を若干上回る雨が降り、気温が下がり始め11月18日には初の氷点下6℃を記録します。
12月の半ばから本格的な冬が到来し、少し少ない降水量と氷点下の気温をもたらしました。1月に入ると100mm以上の降水量を記録しましたが、最高気温17℃を記録した日もあり、とても1月のものとは思えないような温暖な気候でした。
雪や霜は殆ど観察されておらず、2、3月になっても最高平均気温14℃を記録する等、暖かく、雨も殆ど見られていないなど乾燥した季節になります。
春に入ってもブドウにとって難しい天候となったことから、生産者たちは病害と戦う必要があると理解していました。同様にこの天候は花震いや結実不良を引き起こすと予期されています。
実際にこの月から嵐や大雨を伴った風が強まり、2008年の4月は悲惨で、連続した降雨は例年の平均雨量を上回りました。
ブドウの生育サイクルは大きな遅れを見せますがその樹勢の強さからすぐに遅れを取り戻し一時は健全に戻りそうになりましたが、このような悪天候からベト病が蔓延しブドウ畑に被害を与えます。
そのため2008年ヴィンテージの収量は大幅に減少しました。開花は5月25日当りから始まり、例年に比べ、2週間程遅く終わります。
夏は雨が多く、生産者たちに休息を与えないどころか、大変な苦労を強いられました。10日程雹を伴った嵐がブドウ畑を襲ったのに加え、ベト病による被害が拡大していきます。結実不良のブドウが多かった事からヴェレゾンも大幅に遅れが出たのも2008年の特徴です。
収穫は9月10日から始まり、10月末まで掛かるなど2008年ヴィンテージは例外的にブドウの成熟が遅れました。ベト病から逃れられた地域のブドウは長熟ではありませんが、とりわけコンドリュー、シャトーヌフ、コート・ロティでは良いワインが出来上がりました。